中折れ帽子
ハットの中でも最もポピュラーなタイプなのがこの中折れ帽。
帽子の上部(クラウン)が中に折れている形が特徴。
帽子を持つ時は上部のへこみの部分を持つと型崩れを起こしたり、草素材の場合は割れの原因にもなるため、つばの部分を持つようにします。
一般的な分、型の定義が難しく、本来は微妙な型の違いで呼び方が変わりますが、大抵の場合このタイプは中折れ帽やソフトハットと呼んで頂いて問題はないです。
パナマハット
パナマ帽とは、エクアドルなどの中南米産のパナマ草(トキヤ草)を使用した帽子の総称です。
手作業で天然草を編み上げて型入れして作られ、編み目が細かいほど高価になります。
中折れハットやボーラーハットなど型は様々。夏の定番の帽子です。
元は「ヒピハパ・ハット」と呼ばれ、主に砂糖やバナナ、煙草やコーヒーなどの栽培を営む人の日除け帽として使われていましたが、セオドア・ルーズベルトがパナマ運河視察時に気に入り愛用した事で「パナマハット」という呼称が浸透しました。
ストローハット全般のことをパナマハットと呼ぶ方もいますが、本来の意味ではエクアドル産の本パナマで編んだものを指します。
※天然草を使った帽子は割れやすく、一度割れてしまうと元には戻らないためへこみの部分をつまんでの着脱はおやめください。
ボーラーハット
丸い半球型の帽子上部(クラウン)と巻き上がった帽子のつば(ブリム)が特徴。
女性用というイメージを持たれがちですが、本来は主に男性用で、英国紳士の礼装に使われており現代でも男女問わず人気の高い型です。発祥とされるのは1950年代頃のイギリス、作られた当初は狩猟の従者の帽子でした。
ウィリアム・ボーラーが作ったとされること、その形からボウル(Bowl)を連想することからボーラー(Bowler)ハット、競馬場でよく用いられたことからダービーハットとも呼ばれます。
別名:コークハット・ダービーハット・山高帽など
カンカン帽
麦わらで作られた円筒形で頭頂部が平ら、水平についたツバが特徴。
元は水兵や船漕ぎの為に作られた男性用のもので、雨や潮風に負けないよう糊やニスなどで強度を高めており、叩くとカンカンと音がなるほど硬かったことが名前の由来とされています。
明治の末期ごろから日本でも流行し、和服とも相性が良いハットです。
本来リボンは黒が正式とされていますが、2010年代に女性の間でもカンカン帽が流行したことで柄のリボンや装飾のついたものが出回りました。
別名:キャノチェ、ボーター
ポークパイ
帽子上部(クラウン)が平らでその周囲からへこませている形の帽子で、ポークパイ(肉入りパイ)に似ていることからポークパイハットと呼ばれるようになりました。
19世紀後半に英国で広まった帽子で、1920年代にサイレント映画のスター、バスター・キートンが何本かの映画で着用したことで更に普及しました。
その後も少しずつ形を変えてコンスタントにブームを起こし、80年代頃のネオモッズブームで大流行しました。
よく似たもので、クラウンがつまんであり、トップがくぼんだテラピンチという形もあります。
比較的ラフにかぶれるので、ハットに苦手意識がある方でも取り入れやすい形です。
シルクハット
円筒状で上部が平らなクラウン、ツバの両側が反りあがった紳士用の正装帽。
元はビーバーの毛皮で作られていたため「ビーバーハット」と呼ばれていましたが、後に絹が使われるようになり「シルクハット」と呼ばれるようになりました。
現在では「ビーバーハット」というとビーバーの毛皮で作った帽子を指し、他の型の帽子も含まれます。
ハットの中ではこのシルクハットが最もフォーマルなものとされ、本格的なものは主にモーニングスーツやタキシード、燕尾服などと合わせて着用する帽子ですが、今は殆どがフェルトなどで作られたものが大半であるためファッションとして楽しむ方も増えています。
別名:トップハット、ビーバーハット、ハイカットなど
サファリハット
基本的には「アウトドアに適した帽子」を大きく一括りにしてサファリハットと呼びます。一般的にはトップが平らで、あご紐が付いていたりポケットなどがついた布製の柔らかい帽子を指すことが多いです。
登山やフェス、釣りやキャンプなどのレジャーに向いた帽子と思って頂ければ問題はありません。
大抵のものは日除けが出来るよう長めのツバがついており、洗えたり畳めたりと機能性に富んでいます。
別名:アドベンチャーハット、ブーニーハット、ジャングルハットなど
バケットハット
バケツを逆さにしたような形のハットで、横から見ると台形のクラウンに下向きのツバがついています。
サファリハットに分類されることもあり、サファリハットはツバが水平でやや長めのものが多く、対してバケットハットはツバが下向き気味で短めのものが多いです。
リバーシブルで使えるものもあり、アウトドアだけでなくスケーターファッションなどに取り入れられることも多く幅広い年齢の方に親しまれています。
マウンテンハット
バケツを逆さにしたような形のハットで、横から見ると台形のクラウンに下向きのツバがついています。
サファリハットに分類されることもあり、サファリハットはツバが水平でやや長めのものが多く、対してバケットハットはツバが下向き気味で短めのものが多いです。
リバーシブルで使えるものもあり、アウトドアだけでなくスケーターファッションなどに取り入れられることも多く幅広い年齢の方に親しまれています。
キャペリン
キャペリンとはツバの広い帽子の総称。
女性用の帽子で、「女優帽」や「ガーデンハット」とも呼ばれます。
コサージュやリボンなどの華やかな飾りがついたエレガントなものや、逆にシンプルで日常の日除け目的で作られているものなどがあります。
日傘の代わりに着用される方も多く、夏場は特に人気の型です。
別名:カプリーヌ、ガルボハット、ピクチャーハットなど
クロッシェ
釣鐘という意味の女性用のハット。その名の通り、釣鐘のような形のハットを指します。
深めのかぶりで、短めのツバがやや下向きに付いているのが特徴です。
大正時代にはモダンガール(モガ)と呼ばれる女性たちに短髪、細身のドレスにこのクロッシェをかぶるというスタイルが大流行しました。
ツバが短い分、すっぽりと深くかぶれるので日除けの効果もあります。
別名:クローシュ
ブルトン
短めのツバが前上がり、後ろ下がりについた主に女性用の帽子。もしくは、そのようにかぶれる帽子。
もともとはフランスのブルターニュ地方の農民がかぶっていたことからこの名前がついたそうです。
別名:ブレトン
ハンチング
短めのツバが前に付き、頭部後方から前方にかけてゆるやかに下がる形で、元は19世紀中頃のイギリス発祥の狩猟用帽子。
それまでイギリスの上流階級の人たちはシルクハットをかぶる習慣がありましたが、乗馬や狩猟など体を動かすシーンには不向きであったため、激しい運動をしても頭にフィットしてずれにくいこのハンチングを作りました。
今でもゴルフなどでかぶる方も多く、デザイン性だけでなく実用性も高い帽子です。
当店では中折れハットに並んで男性人気が高い定番の形。
別名:鳥打帽、ハンティング
キャスケット
ハンチングの一種とされる、トップにたっぷりとしたボリュームのある前にツバのついた帽子。
元は新聞配達人がかぶっていたことから「ニュースボーイキャップ」と呼ばれたり、ロシアの革命家ウラジーミル・レーニンが愛用していたことから「レーニン帽」と呼ばれることもあります。
ボリューム感があるので小顔効果も高く女性人気もある型です。
ベレー帽
ツバがなく、丸いクラウンだけの縫い目のない帽子。
古代ギリシャ時代には日除け・風よけとしてベレー帽のような形のものを着用していたと言われていますが、スペイン・バスク地方の農民が僧侶の帽子を真似てかぶっていた帽子とされる「バスクベレー」が原型と言われています。
また、ピカソやロダンなどの芸術家や、日本では手塚治虫などの漫画家が愛用していたことで芸術家・文系の帽子というイメージが定着しています。
天井にチョボがついていたり、かぶり口にロールなどがあったりと形は様々ですが、かぶり方や素材によって幅広い年代・ファッションに対応出来る便利な帽子です。
軍隊で使われる型を模した、かぶり口に革で縁取りをした「ミリタリーベレー」などもあります。
ベースボールキャップ
丸いクラウンの、前にだけツバのついた帽子。
脱げにくいのでスポーツに最適。キャップといえばこのベースボールキャプをイメージする人も多いです。
1850年代、野球がまだ労働者の遊びの一つだった頃、彼らは仕事でかぶっていた帽子をそのまま野球をするときにもかぶってプレイしていました。そのため地域やチームごとに様々なデザインのキャップが存在し、同じキャップをかぶることで仲間意識を高めることにも繋がり今でも様々なユニフォームに採用されています。
時代や流行によって形が変わり、かぶりが深いものや浅いもの・無地や柄物・ワッペンや刺繍など様々なデザインがあり今もなお進化し続けている形の一つです。
別名:BBキャップ、野球帽
ワークキャップ
平らな天井でかぶりは浅めの、前にだけツバが付いたキャップの一種。
元は1900年代初頭頃に鉄道員の作業用帽子として誕生し「レールキャップ」と呼ばれていましたが、後に他の技術者や作業員などにも普及したため「作業をするための帽子」という意味の「ワークキャップ」と呼び方が変わりました。
頭頂部が平らで円筒形の「ドゴールワークキャップ」と、丸みがありトップに数か所のつまみがついた「エンジニアキャップ」の二種類に分類されます。
老若男女問わず人気の型で、気負わずかぶれるので普段使いに最適です。
マリンキャップ
かぶりは浅めで天井が平ら、前にだけツバが付いたキャップの一種です。
ワークキャップよりも高さがなく、横幅があって平たいのが特徴。学生帽などに似ています。
原型は1800年代後半のギリシャを発祥とし、フランス・ノルマンディ地方の漁師たちに愛用されて広まった帽子なので「フィッシャーマンズキャップ」とも呼ばれますが、今は「フィッシャーマンズキャップ」というとツバのないキャップのような型を指す事が多いので注意。
別名:マリンキャスケット、フィッシャーマンズキャップ
フライトキャップ
前にツバがついた、シコロ付きのキャップ。
錣(しころ)とは、兜や頭巾などの下部に布などを垂らし後頭部を保護する覆いのことで、帽子の場合は襟や耳を防御するものです。
飛行機乗りに愛用された帽子で防寒・防風を目的としている為ナイロンや革で作られることが多く、裏ボアの耳当てがついています。
別名:飛行帽、トラッパー、ケーバ帽子
ニット帽・ワッチ
ニット製の頭にぴったりとフィットする帽子。
厳密にいえばニットで編まれたものは型を問わず全てニット帽に分類されるので、図のような型は「ワッチ」や「ビーニー」と呼ぶとより正確です。(本来は二つとも形も由来も異なるものです。)
折り返しのあるものをダブルワッチ、ないものをシングルワッチと呼びます。
その他も形は様々で、耳当てがついているものや、頭にボンボンがついている正ちゃん帽などがあります。
イスラムワッチ
ニット帽の一種、小さめのサイズ感で頭にフィットする形。
映画「レオン」でジャン・レノが着用していたことで有名です。
頭にフィットしてずれにくく、手洗い可能なものが多いので室内用や医療用としても人気の形です。
別名:イスラムキャップ、イスラー
アポロキャップ
アポロ宇宙船基地(米国航空宇宙局=NASA)から地球に帰還した
宇宙飛行士に贈られた帽子を商品化したもの。
野球帽型で、つばと前部に刺繍のあるタイプ。
つばにある月桂樹の葉の刺繍が有名です。
アルペンハット
クラウンの天井が平たく、つばの後ろが上がったタイプの帽子です。
チロリアンハットを布地で縫ったような形です。
ウエスタンハット(テンガロンハット、カウボーイハット)
アメリカ西部に特有のつば広帽子。カウボーイハットやウエスタンハットともいわれます。
テンガロンは水が10ガロン入るほど大きいという意味で付けられた、カウボーイ独特の大げさな名称といわれています。
z両横が巻き上がった幅広いつばと、中折れ型の高いクラウンが特徴。
◆オスロ
円筒型のクラウン部分がニ重になっておでこの部分を下げる事により耳カバーとなる防寒用のつば付きニット帽。
◆オプティモ
パナマの一種。クラウン中央の筋状の浮き上がりを特徴にしたパナマハツトで日本では筋入りとも呼ばれます。
上質なものでは中央の筋に沿って折り畳みが可能なものが多くあり。
◆オペラハット
オペラを鑑賞する際に使用された帽子。
シルクハットの一種で、クラウンの部分がばね仕掛けで折りたたむことができるようになっているものをいいます。
◆カプリーヌ
キャプリーヌとものいい、英語ではキャプリンとも呼ばれます。
柔らかく波をうったブリムの広い帽子の総称で、クラウンは丸いものや平らなもの色々あります。
◆カンカン帽
カンカン帽は日本独自の呼び名で英語ではボーターと呼ばれます。
てっぺんを平らにした円筒形の低めのクラウンと、水平なブリムを特徴とした夏向きの麦わら帽子で、
多くは黒のハットバンドがつき、夏の正式な紳士帽として使われてきました。
カンカンの名称は、ブリムが固くつくられていることろから、その状態を指して呼ばれる呼称です。
◆キャスケット
元はフランス語で前つばだけが付いた帽子の総称としてつかわれていたのですが、
最近ではゆったりした8枚はぎなどのクラウンにつばの付いたものを差すことが多いです。
クラウンが平たいものやキャップに近いものまでかなり幅広い種類があり
8枚はぎハンチングもキャスケットと呼ぶこともあります。
◆キャップ
元は頭部にぴったりフィットする縁なしの帽子の総称で、ハットと区別して用いられる呼び名です。
現在では一般的には前つばのあるベースボールキャップ型のものを差すことが多いです。
◆キャノチエ
フランス語で「ボートをこぐ人」を意味する言葉で、もとはボート選手が被ったことに由来する帽(ボーター、カンカン帽)
主に女性用のものがこう呼ばれます。
◆クラウン
帽子の山の部分。頭部を覆い、被る部分のこと。
◆クルーハット
白いコットン地や生成りのリネン地などで作られたはぎのある帽子。
ステッチ飾りを施した垂れ気味のブリムと、主に8枚はぎや6枚はぎの丸形のクラウンが特徴です。
この名は船の乗組員が被るような帽子とか、ボート競技用に考案された帽子であるところから名づけられたということです。
日本ではメトロハットとも言います。
◆クロッシェ
元はクロッシュ、フランス語で「鐘」の意味。
クラウンが釣り鐘のような形をした帽子の総称で
ブリムがやや下向きになっているものが多いです。
◆ケーバ
ツバの付いたキヤップ型で外側に折り返された耳から後ろ首筋までのカバーが付いた帽子。
寒い時に下ろして使う防寒用の帽子です。
◆サファリハット
サファリは「狩猟旅行」の意で、重荷アフリカの動物狩りのときに用いられる帽子。
厚手のコットン生地やフェルトなどで作られ、下向きの幅広ブリムとテーパードされたクラウンが特徴ですが
日本では平天で下向きのブリムの帽子もサファリ(サハリ)と呼ばれます。
◆サンバイザー
クラウンがなく、バイザー(前つば)とそれを留めるヘッドバンドだけでつくられた日よけ用の帽子。
クリップ式のものもあります。
◆正ちゃん帽
頭のてっぺんにポンポン飾りを付けた毛糸の帽子。
大正末期の漫画『正ちゃんの冒険』の主人公がかぶっていたことに由来する帽子です。
◆シルクハット
モーニングコートや燕尾服など、男性の最上級の礼装時に用いる帽子。
頭頂部が平らな、円筒状の高いクラウンと、両脇がやや反り返った、比較的狭いブリムが特徴。
もともと17世紀半ばに大流行したビーバーハットを原型としたもので、
激減したビーバーの毛皮のかわりとして似たようなシルク地を用いたのがはじまりとされています。
シルクハットと呼ばれるものはシルク(主に毛足のあるプラッシュドシルク)のものだけで
帽子の型としてはトップハット・トッパー・ハイハットと呼ばれます。
ファーフエルト・ウールフエルトの物もあります。
◆スカルキャップ
頭にぴったりと合ったお椀型の丸帽。
元は老人用の室内帽として用いられ、また中世の書記や下僕(召使)などにかぶられた
ベルベットなどの布帛のものですが、現在一般的なものは主にニット素材の帽子です。
◆ストローハット
本来は麦わら(ストロー)製の帽子の総称ですが。
天然草やペーパーストローなどの帽子はすべてストローハットと呼ばれることが多いです。
◆スナップブリム
ソフトハットのアメリカでの通称。
スナップは「パチンと折り曲げる」の意で、ブリムのふちが弾力性に富み、
折り上げたり、下げたりすることが簡単なところからこう呼ばれるもの。
◆ソフトハット
ソフトフェルトハットの略称で、単にソフト帽、ソフトとも呼ばれます。
柔らかなフェルトでつくられていることから、形を自由に変えることができ、
クラウンの中央にクリース(折り目)をつけたものが多いことから、これを日本では中折れ帽とも総称しています。
ソフト帽の代表的なブランドであるBorsalinoからボルサリーノと呼ばれることもあります。
*中折れ帽の名称には、素材が硬く形の変えられないものも含まれます。
◆ダービーハット
山高帽子・ボーラーのアメリカでの名称。
18世紀イギリスの貴族ダービー伯が開いたダービー競馬で彼が被ったことに由来する。
◆タモシャンター
略してタム。スコットランドのハイランダーが被る大型のベレー帽に似た帽子で
頭頂に毛糸のポンポン飾りがつき、素材はタータンなどのウール地が多く使われます。
スコットランドの詩人ロバートバーンズの詩の題名とその主人公の名「タモシャンター」に由来する帽子です。
◆チロリアンハット
チロル地方で男女ともにかぶられているフェルト製の帽子。
前が下がり、後ろが上がった狭めのブリムで、クラウンは頂が小さく、飾り紐や羽根などがつくのが特徴。
一般的にはロープ飾りと大きめな羽飾りの付くことも多いです。
◆ディアストーカー
イギリス的なカントリー帽の一種。ひさしが前後に付き、両側にイヤーフラップ(耳あて)がついた特殊な形のもので、
普通はイヤーフラップを頭の上で先端についたリボンで結んでかぶります。
ディアストーカーとは「鹿に忍び寄る人」の意味で、日本では「鹿打ち帽」「鹿狩り帽」と呼ばれます。
ガンクラブチェックのツイード地で作られたものが代表的で、
コナン・ドイルの小説の主人公、名探偵シャーロック・ホームズのトレードマークからシャーロックとも呼ばれます。
◆トーク
ブリムがない筒型の帽子の総称。
一般に浅い円筒形で、頭にぴったりとのせてかぶられる婦人帽を指すことが多く、
羽根やリボン、ベールなどの飾りが施されるドレッシーな帽子が多いです。
◆ドゴールキャップ
フランスの軍人、政治家ドゴールがかぶって付いた名称。
平天のキャップのような形でミリタリーキャップとも呼ばれます。
◆バスクベレー
スペインとフランス国境地帯のバスク地方に伝わる、クラウンだけの丸く平たいゆったりとした帽子。
柔らかなウール製で現在のベレー帽の原型といわれる。
◆ハット
広義では帽子の総称。狭義ではクラウンとブリムからできている帽子になります。
一般的にはクラウン周囲にブリムのついたものを言い、キャップ特別されて使われます。
フランス語ではシャポー。
◆パナマハット
エクアドル、コロンビアなどの中米産の椰子に似たトキヤ草の若葉を細かく裂いて日に晒し、
それを手で密に編んだ夏用帽子の総称。
モンテクリスティ・クエンカ・キートなどいくつか産地がありますが
モンテクリスティのものが一番高級とされています。
産地によってさらし方が違うため、質感・色が違うのも特徴です。
パナマの名称は産地がパナマなのではなく、出荷港がパナマ市のためとの説や
米国大統領セオドル・ルーズベルトがパナマ運河で求め、好んで被ったことからの名称という説もあります。
◆ハンチング
もとは狩猟(ハンティング)用の帽子として19世紀半ば頃から用いられた帽子で、
ハンティングキャップのなまったもの。鳥打ち帽ともよばれます。
なだらかにやや前傾したクラウンと短めな前びさしが特徴ですが
つばの長めなタイプやクラウンが8枚はぎ・6枚はぎで作られるものもあります。
◆飛行帽
昔から飛行機乗りに使用されていた帽子で革、ナイロン素材で出来ている物が多く、
ボアや毛皮の付いたものもあります。 防風性と防寒性に優れた帽子です。
◆ピスヘルメット
アフリカやインドなどの熱帯地方で太陽の直射を防ぐために用いる防暑帽のひとつで、
アフリカ探検隊などによく見られるヘルメット型の帽子のことです。
インド産のソーラという植物の髄(ピス)を用いてつくられるところからこう呼ばれています。
◆ブリム
帽子のつばのことです。
主にハットに使われ、キャップのつばはバイザーと呼ぶことが多いです。
◆ブレードハット
ブレードと呼ばれる細い紐状の布を丸く縫い上げた帽子。
元はイタリアでレディースの帽子として作られたもので、
折りたたみや形状を付けやすいことから人気を得た帽子です。
◆ブルトンハット
フランスの「ブルターニュ人」の意味で、彼らが被っていた帽子からの名称。
元はフェルト製で、前ブリムが上向きに折り返った形の帽子です。
つばがすべて上に折りかえったものはセーラーハットというのですが
ブルトンと記載することもあります。
◆フロッピーハット
フェルトで作られた極端にブリム(つば)の広い帽子で、1枚のフェルト地だけでできているのが特徴。
フロッピーは「ばたばたはためく」という意味で、そのような印象から付けられた名称です。
また、これのブリムの部分を短くして、デニムやキャンバスなどでつくったはぎのある
カジュアルな帽子を「フロッピーキャップ」といい、別にチューリップキャップ、チューリップハットも言います。
◆ベースボールキャップ
野球帽。スポーツキャップの一種で、前びさし付きで6枚はぎなどの丸帽型。
後部にはサイズ調整用のアジャスターが付けられているものが多いです。
◆ベレー
頂点に短い尾のようなつまみを付けた丸く平たい縁なしの帽子。
フランスとイタリアの国境バスク地方を発祥地とするところからバスクベレーともよばれる。
柔らかなウールやフェルトで作られることが多く、パンケーキベレー、
グリーンベレー・モンティベレー等の軍隊用のベレーなどさまざまな種類があり、幅広く浸透しています。。
◆ポークパイハット
クラウンの天井が平らで、周囲からへこませた形の、ちょうど菓子のポークパイ(肉入りパイ)に似た帽子。
フレッドアステアが愛用したことでも有名です。
望遠鏡(テレスコープ)のレンズ部分の凸レンズのようなクラウンのトップのためテレスコープとも呼ばれます。
近年では布帛で作られたタイプもあり、これはテラピンチとも呼ばれます。
◆ホンブルグ
シルクハットに次いでフォーマルな帽子とされる紳士用の中折れ帽。
ブリムが両側でやや反り返り、クラウンの中央にクリース(折り目)が付き、固いフェルトでつくられることが多い。
西ドイツの帽子の名産地ホンブルグで製造されたことからの名称で、
エドワード7世が愛用したことから世界的に広まった帽子です。
◆モッズキャップ
’60年代半ばに台頭したモッズルックに見られる帽子。
ダッチボーイキャップを元に作られた帽子で、ちょうど日本の学生帽のように
しっかりとした前つばと柔らかなクラウンが特徴。
山の部分をはいで、ふくらみをつけた、キャスケットに似たものも見られ、男女共に用いられた。
マリンキャップ・アドミラルキャップともいいます。
◆山高帽子
山高帽、ダービーハット、ボーラーともいう。
男性の礼装用帽子のひとつで、クラウンが丸く高くブリムがやや広く平らな固いフェルト製の帽子のこと。
一般にはチャップリンのかぶっているものが有名です。
◆ワッチキャップ
正しくは「ウォッチキャップ」でワッチはウォッチの日本的なまり。
もともとは漁師の仕事用の帽子だったのを、水兵の艦内帽としたもので、ニット製の頭にぴったりとした帽子です。
主に目の詰まったゴム編み製で、下縁を深く折り返して被るのが特徴。